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フォータム(フィンランド)は2024年にポートフォリオを最適化し、2040年までにネットゼロを目指す

フィンランドのエネルギー企業フォータムは、2024年中の主な出来事と成果を明らかにした年次報告書を発表した。同グループの2024年の発電量は46TWh(-1%)で、内訳は原子力発電が24TWh(-2%)、水力発電が20TWh(-3%)、北欧諸国における風力発電が0.9TWh(x9)であった。電力販売量は、北欧諸国では6%減の58.9 TWh、その他の国々では0.6 TWhと横ばいであり、熱販売量も5%減の5.2 TWhであった。

同社によると、2024年末時点で、北欧諸国全体で5GWの陸上風力・太陽光発電プロジェクトのパイプラインが許可手続き中である(さらに開発段階にあるものもある)。フォータムは、低圧タービンの近代化と主要海水ポンプの更新により、ロヴィーサ原子力発電所(フィンランド南部)の寿命を2050年まで延長するプロセスを進めた。2024年、フォータムは380MWのピェラックス風力発電プロジェクト(ヘレン社との出資比率60:40)の試運転と商業運転を開始し、ロヴィーサに2MWの水素製造パイロットプラントの建設を開始した。また、ポーランドの60MWチェストチョワCHPプラントの脱炭素化に1億ユーロを投資することを決定し、フィンランドのエスポーで地域熱生産に使用していた最後の石炭火力ユニットを1年前に閉鎖した。フォータムは、2027年末までに石炭を段階的に廃止し、2030年までにスコープ1と2の排出量を85%削減し、2040年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス正味ゼロを達成する予定である。さらにフォータムは、インドにおける185MWの太陽光発電ポートフォリオの持分売却に成功した。再生可能技術の導入を支える信頼できるエネルギー源の必要性を考慮し、フォータムはスウェーデン政府およびフィンランド政府と、新たな原子力プロジェクトを促進するための資金調達や電力市場メカニズムの可能性について協議している。一方、フォータムは、スウェーデンにおける柔軟な揚水発電の可能性を探るための事業化調査を開始した。